金沢三寺院群の中心
歴史と風情が溢れる
寺町寺院群

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城下町金沢の文化と歴史

犀川から見た寺町方向

現在の金沢の街並みの基礎が造られたのは、江戸時代の初期、加賀藩三代藩主 前田利常公の頃。

当時、徳川幕府との確執や、一向一揆への不安を抱えてた利常公が、金沢城を挟んで流れる二本の川(犀川と浅野川)を境として、南北の丘陵地近くに散在する寺社を集め”盾”としました。

その南にあたる犀川沿いの寺町には、現在でも七十を超える寺院が在り、戦禍を逃れた城下町金沢の文化と歴史を物語っています。

金沢市野町1丁目、3丁目、弥生1丁目、寺町3丁目、4丁目、5丁目の各一部が「金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区」の名称で、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定(2012年)されています。

金沢三寺院群は、寺町寺院群の他に、金沢城の南東にある「小立野寺院群」、北東の「卯辰山寺院群」が在ります。

金沢の歴史を感じる
寺町寺院群で巡る古都の風景

にし茶屋街

寺町寺院群には、様々な見どころがあります。
例えば、忍者寺で有名な「妙立寺」は、見た目は普通のお寺ですが、中には隠し階段や落とし穴などの仕掛けがあります。
これは、一向宗の僧侶や信者をかくまったり、襲撃に備えたりするために作られたものです。
妙立寺は、見学には事前予約が必要ですが、歴史好きにはたまらないスポットです。

また、「雨宝院」は、金沢三文豪のひとりである室生犀星のゆかりのお寺です。
犀星は生後すぐに養子に出され、幼少期を雨宝院で過ごしました。
その影響で、犀星の作品にはこの地を舞台にしたものが多くあります。
雨宝院では、犀星の文学碑や直筆原稿などを見ることができます。

さらに、「松月寺」は、国指定天然記念物の大桜があるお寺です。
この桜は樹齢400年近くで、春には見事な花を咲かせます。
松月寺では、俳聖・松尾芭蕉が詠んだ句碑も見ることができます。
芭蕉は「奥の細道」の旅で金沢に滞在し、多くの句を残しました。

他にも、「興徳寺」や「本妙寺」などの重要文化財や国宝があるお寺や、「諏訪神社」や「高岸寺」などの神社もあります。
また、毎週土曜日の夕方には梵鐘が空に鳴り響き、「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
この音色は、金沢の歴史と文化を感じさせてくれます。

寺町寺院群は、「静音の小径」とも呼ばれています。
その名の通り、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。
しかし、それだけではありません。
この地域には、「六斗の広見」や「にし茶屋街」など、金沢のコミュニティを知ることができる場所もあります。
六斗の広見は、火災時の延焼を防止するために設けられた空間で、地域の人々が集う場所にもなっています。
にし茶屋街は、格子戸と石畳が続く風情ある街並みで、金沢にゆかりのある文豪 島田清次郎の資料館があります。

寺町寺院群は、金沢の歴史や文化を深く知ることができる貴重な地域です。

ぜひ、足を運んでみてください。