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十夜法要

2024年11月10日

十日十夜の善行が千年の功徳に
浄土宗の秋の伝統行事
「十夜法要」とは

十夜法要とは、毎年秋に行われる伝統的な仏教の法会で、阿弥陀如来に対し感謝の念仏を唱えるものです。

その起源は室町時代にさかのぼり、平貞国という人物が真如堂で10日10夜の念仏行を行ったことが始まりとされています。
その後、鎌倉の光明寺の観誉祐崇上人が後土御門天皇に招かれ、阿弥陀経の講義と引声念仏を行ったことがきっかけで、光明寺で十夜法要が行われるようになりました。これが浄土宗における十夜法要の始まりです。

十夜法要は、浄土宗で大事にされている「無量寿経」という経典の中にある教えに基づいています。そこには、「現世で十日十夜の善行は仏国土での千年の善行に勝る」という記述があります。そうした教えが貞国の故事とも相まって、全国に受け入れられていったのでしょう。

十夜法要は正式には「十日十夜別時念仏会」と言い、「お十夜」「お十夜会」「十夜講」「十夜念仏」と呼ばれることもあります。
本来、行われる日数は10日間でしたが、それが5日、3日、あるいは1日と短縮される寺院が増えました。その場合、最終日の朝が15日になるようにして日程が組まれることが多く、地域によっては10月や12月に行うお寺もあるようです。

お念仏をするという一見簡単に見える修行であっても、悪い行いをせずにいつも続けるのはとても難しいことなのかもしれません。
お十夜では、その難しさを乗り越えて一心不乱にお念仏を唱えます。
そして阿弥陀さまから頂く無量無辺の功徳を自分だけではなく、すべての衆生(生きとし生けるもの)に分け与えます。
これを回向(えこう)と言います。
お念仏を唱えて回向することで、自分だけではなく他者や社会や世界へも貢献することができます。